通常逮捕、現行犯逮捕、緊急逮捕とは?特徴、違いについて解説

刑事事件の逮捕には3種類あります。

以下では、どんな種類の逮捕があり、どのような特徴、どのような違いがあるのかについて解説してまいります。

逮捕とは

逮捕とは、捜査機関(警察、検察)が被疑者の身体を拘束し、引き続き短時間、留置施設(留置場)、拘置所に拘束することをいいます。

逮捕には通常逮捕、現行犯逮捕(準現行犯逮捕を含む)、緊急逮捕の3種類があります。

なお、逮捕に引き続く身柄拘束のことを勾留といいます。逮捕から勾留までの逮捕期間は概ね3日以内です。

通常逮捕とは

通常逮捕とは、裁判官があらかじめ発した逮捕状によってする逮捕のことをいいます。

通常逮捕は

  1. 裁判官に対する逮捕状請求
  2. 裁判官の逮捕状発布
  3. 通常逮捕状の執行(=逮捕)

という流れとなります。

①裁判官に対して逮捕状発布の請求をできるのは「検察官」と「司法警察員(警察官(※)など)」です。

※司法警察職員と司法警察員
司法警察職員とは捜査の権限を有する人。一般司法警察職員(警察官など)と特別司法警察職員とに分かれます。警察官の司法警察職員は司法警察員と司法巡査に分かれます。司法警察員は、基本的に、巡査部長以上の階級を持つ警察官のことをいいます。

もっとも、警察官の場合は国家公安委員会又は都道府県公安委員会が指定する警部以上の階級を持つ警察官に限定されています。

逮捕状請求は逮捕状請求書という書面で行われます。

その他、逮捕の要件である「逮捕の理由」、「逮捕の必要」があることを認めるべき資料を裁判所に提出します。

②捜査機関から請求を受けた裁判官は、逮捕状請求書に記載されている事項や捜査機関から提出された資料を精査します。

また、必要があると認めるときは、逮捕状の請求をした者を裁判所に出頭させて、その者から事情を聴く、必要な書類等を提示させるなどして以下で解説する「通常逮捕の要件」を具備しているかどうか確認します。

そして、通常逮捕の要件が具備していると判断した場合は逮捕状を発布します。

③発布された逮捕状によって逮捕できるのは「検察官」、「検察事務官」、「司法警察職員」です。

①の裁判官に対する逮捕状請求時とは異なり、検察事務官や司法巡査にも通常逮捕状による逮捕権限が認められています。

被疑者をいつ逮捕するのかは捜査機関の判断に委ねられています。

したがって、被疑者はもちろん弁護士であっても逮捕のタイミングを予測することはできません

もっとも、通常逮捕状には有効期限(通常、通常逮捕状発布の日から7日)が定められています。

なお、有効期限を過ぎた通常逮捕状の場合、逮捕はできなくなります。

通常逮捕の要件

通常逮捕の要件は「逮捕の理由」と「逮捕の必要」です。

逮捕の理由とは「被疑者が罪を犯したと疑うに足りる相当な理由」があることです。

逮捕の必要とは、被疑者に「罪証隠滅のおそれ」、「逃亡のおそれ」があることです。

こうしたおそれがあるかどうかは、被疑者の年齢及び境遇並びに犯罪の軽重及び態様その他諸般の事情を考慮して判断されます。

現行犯逮捕とは

現行犯逮捕とは「現行犯人」を裁判官の令状なしで逮捕することです。

現行犯人とは、

  • 現に罪を行っている人
  • 現に罪を行い終わった人
  • 準現行犯人

のことをいいます。

「現に罪を行っている人」とは、逮捕者(※)の眼前において、特定の犯罪行為を行っている人のことをいいます。

※逮捕者
現行犯逮捕の場合、検察官、警察官などの捜査員のみならず一般人(私人)でも逮捕が可能です。

「現に罪を行い終わった人」とは、特定の犯罪行為を終了した直後の人、あるいはそれに極めて近接した段階にある人のことをいいます。

「準現行犯人」とは、「犯人として追跡されている」、「盗品や犯罪に使用した凶器等を所持している」、「身体は服に血痕などの犯罪の顕著な証跡がある」、「犯人と疑われて逃走しようとする」のいずれかに当たり、かつ、犯罪行為が終わってから逮捕までに時間的、場所的に近接していると認められる人のことをいいます。

現行犯逮捕の要件

現行犯逮捕の要件は「現行犯人(であること)」、「犯罪と犯人の明白性」、「逮捕の必要」です。

現行犯人(であること)とは、具体的には、犯罪行為と逮捕とが時間的、場所的に近接していることを意味します。

数日前の犯罪に関する現行犯逮捕、犯行場所から遠く離れた場所での現行犯逮捕は許されません。

犯罪と犯人の明白性とは、逮捕者自身が直接見たり聴いたりした限りにおいて明白である、という意味です。

したがって、第三者からの情報のみを根拠に逮捕することは許されません。

また、あくまでも「明白」であることが必要であり、「~かもしれない」、「~だろう」という程度の疑いでは現行犯逮捕はできません。

逮捕の必要については、上述した通常逮捕で解説したとおりです。

緊急逮捕とは

緊急逮捕とは、一定の刑の重さの罪について、裁判官の令状なしで逮捕することです。

逮捕後に、捜査機関が裁判官に逮捕状の請求を行うことが要件とされる点が現行犯逮捕との大きな違いです。

また、逮捕前でなく、逮捕後に逮捕状の請求を行うことが要件とされる点が通常逮捕との大きな違いです。

緊急逮捕できるのは「検察官」、「検察事務官」、「司法警察職員」です。

また、緊急逮捕後に緊急逮捕状の請求をできるのも上記の3者です。この点も通常逮捕の場合と異なります。

請求を受けた裁判官は「緊急逮捕の要件」を具備しているかどうか確認し、具備していると判断した場合は緊急逮捕状を発布します。

他方で、具備していないと判断した場合は直ちに釈放されます。

もっとも、この場合、先行した逮捕が違法とされる可能性は低いでしょう。

緊急逮捕の要件

緊急逮捕の要件は「一定の刑の重さの罪に関する逮捕であること」、「逮捕の理由」、「緊急性、急速性」、「手続きの履践」、「逮捕の必要」です。

一定の刑の重さの罪とは、死刑又は無期若しくは長期3年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪のことをいいます。

逮捕の理由とは、罪を犯したと疑うに足りる充分な理由のことで(通常逮捕は「相当な理由」)、通常逮捕よりさらに高度な嫌疑が必要とされています。

緊急性、急速性とは、逮捕状の発布を受ける余裕がないこと、すなわち、逮捕しなければ被疑者が逃亡又は罪証を隠滅するおそれのある場合をいいます。

手続きの履践とは、捜査員が逮捕する際に逮捕の理由を告げること、逮捕後に裁判官に対して逮捕状の請求を行うことです。

逮捕の必要については通常逮捕で解説したとおりです。

まとめ

刑事事件の逮捕には、通常逮捕・現行犯逮捕・緊急逮捕と3種類あり、主な違いは以下のとおりです。

通常逮捕 現行犯逮捕 緊急逮捕
逮捕状の要否 逮捕前に必要 不要 逮捕後に必要
逮捕できる人 捜査員 誰でも 捜査員
罪の限定の有無

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