ストーカー規制法とは?ストーカー規制法違反に該当するケースとは?
ストーカー行為等の規制等に関する法律(ストーカー規制法)は、平成29年から改正法が施行されています。どのような行為がストーカー規制法に違反するのでしょうか?
具体的な例を含めて解説していきます。
ストーカー規制法とは?ストーカー規制法の規制の対象となるのは?
ストーカー規制法とは、「つきまとい等」を繰り返すストーカー行為者に対して、警告を与えたり、悪質な場合は逮捕することで被害を受けている方を守る法律です。
規制の対象となるのは以下の行為です。
①つきまとい・待ち伏せ・押し掛け・うろつき等
つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居、勤務先、学校、その他通常所在する場所の付近において見張りをし、住居等に押し掛け、又は住居等の付近をみだりにうろつくことなどが、規制の対象となる行為です。
具体的には
- 尾行しつきまとうこと
- 通勤先や外出先などで待ち伏せをすること
- 進路に立ちふさがること
- 自宅や職場付近で見張りをする、押しかける、みだりにうろつくこと
などの行為が規制の対象となります。
②監視していると告げる行為
その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、またはその知り得る状態に置くことが、規制の対象となる行為です。
具体的には
- 行動や服装などを電子メールや電話で告げること
- 「いつも監視している」などと監視していることを告げること
- 帰宅した直後に「お帰りなさい」などと電話をすること
- よくアクセスするインターネット上の掲示板に、上記の内容等の書き込みを行うこと
などが、規制の対象となります。
③面会や交際の要求
面会、交際その他義務のないことを行うことを要求することが、規制の対象となる行為です。
具体的には
- 面会や交際や復縁など、義務のないことを求めること
- 贈り物を受け取るように要求すること
などが、規制の対象となります。
④乱暴な言動
著しく粗野又は乱暴な言動をすることが、規制の対象となる行為です。
具体的には
- 大声で馬鹿野郎などと怒鳴ったり、粗暴な内容のメールを送ること
などが、規制の対象となります。
⑤無言電話、連続した電話・ファクシミリ・電子メール・SNS等
電話をかけて何も告げず、又は拒まれたにもかかわらず、連続して、電話をかけ、ファクシミリ装置を用いて送信し、若しくは電子メールの送信等をすることが、規制の対象となる行為です。
具体的には
- 無言電話をかけること
- 拒否しているのに自宅や携帯電話、会社などに何度も電話やメールをしてくること
などが、規制の対象となります。
⑥汚物等の送付
汚物、動物の死体その他の著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を送付し、又はその知り得る状態に置くことが、規制の対象となる行為です。
具体的には
- 汚物や動物の死体などを自宅や職場に送ったり、置いたりすること
などが、規制の対象となります。
⑦名誉を傷つける
その名誉を害する事項を告げ、又はその知り得る状態に置くことが、規制の対象となる行為です。
具体的には
- 中傷したり名誉を傷付けるような内容を告げたりメールを送ること
などが、規制の対象となります。
⑧性的しゅう恥心の侵害
その性的羞恥心を害する事項を告げ若しくはその知り得る状態に置き、その性的羞恥心を害する文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を送付し若しくはその知り得る状態に置き、又はその性的羞恥心を害する電磁的記録その他の記録を送信し若しくはその知り得る状態に置くことが、規制の対象となる行為です。
具体的には
- わいせつな写真を送ること
- 電話で卑猥な言葉を言うこと
などが、規制の対象となります。
ストーカー規制法違反の罰則は?
ストーカー規制法では、同一の者に対しつきまとい等を繰り返して行うことをストーカー行為と規定して、罰則を設けています。(一部の行為については、身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われた場合に限っています。)
ストーカー行為による罰則は以下のとおりです。
- ストーカー行為をした者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金
- 禁止命令等に違反してストーカー行為をした者は、2年以下の懲役又は200万円以下の罰金
- 禁止命令等に違反した者は、6ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金
まとめ
ストーカー規制法違反で逮捕された場合、最大で23日間身柄を拘束される可能性があります。起訴され、釈放されなかった場合にはさらに身柄の拘束が続くこともあります。
弁護士に依頼することで、早期に釈放されるよう働きかけたり、起訴を免れるよう働きかけたりすることが可能です。不起訴となれば前科がつくこともありません。
もし警察から呼び出されるなど、ストーカー規制法に違反する行為をしてしまった場合には、弁護士に相談することをおすすめします。