私選弁護人と当番弁護士との違い~どちらを選ぶべき?

逮捕された場合は当番弁護士!という方もおられるかもしれません。

しかし、当番弁護士は無料ですが、逮捕期間中、1回しか接見を行ってくれません。

対して、私選弁護人は有料ですが、接見回数に限りはなく、接見後も継続的に弁護活動を行ってくれるのが特徴です。

こうしたそれぞれの弁護士の特徴を生かして、少しでも有利な結果を獲得していきましょう。

私選弁護人と当番弁護士

私選弁護人は、契約後に被疑者(起訴前の人)・被告人(起訴された人)あるいは被疑者・被告人と一定の身分関係にある方(ご家族など)によって選任された弁護士です。

一方、当番弁護士は逮捕期間中(逮捕から勾留決定までのおおよそ3日間)に逮捕された方と1回限り、無料で接見する弁護士です。

当番弁護士の意義

ではなぜ、私選弁護人のほかに当番弁護士が存在するのでしょうか?

逮捕期間中の接見が極めて重要だから

逮捕されると一般社会とは隔離された環境の下で生活しなければならず、周囲には知り合いや味方となってくれる方はいません。

当然、逮捕された方は精神的に不安定な状態に置かれます。

そうした状態の下、さらに追い打ちをかけるかのように取調官による厳しい取調べが待ち受けています。

その取調べで、どういう供述態度を取るのか(話すのか、黙秘するのか)、話すとして何をどこまでどう話すのか、などということは後々の刑事処分の起訴、不起訴や裁判での有罪、無罪の分岐点に立ったときに大切になってきます。

そこで、逮捕期間中の接見では、逮捕された方の唯一の味方となり精神的な支えとなれる弁護士が、逮捕された方の立場に立って、逮捕された方の供述態度や話の内容に応じたアドバイスをすることがとても大切になってくるのです。

資力の程度によって差を設けるべきではないから

被疑者・被告人が弁護士と立会人なくして接見できる権利のことを接見交通権といいます。

判例(昭和53年7月10日)はこの接見交通権を「憲法34条前段(弁護人依頼権)に由来する重要な権利」と述べており、この弁護人依頼権の趣旨を受けて下記の刑事訴訟法39条1項が設けられたとしています。

そして、接見交通権がこれほど重要な権利であるからこそ、資力の有無にかかわらず、誰しも逮捕期間中から弁護士と接見できる権利を保障しようという趣旨から、弁護士会によって設けられたのが当番弁護士(制度)なのです。

私選弁護人と当番弁護士の共通点

私選弁護人と当番弁護士の共通点は逮捕期間中から接見できるという点です。

この期間、逮捕された方と接見(面会)できる権利が認められているのは弁護士のみです。

つまり、弁護士以外の方(ご家族など)の接見は法律上の権利としては認められていないのです。

下記の規定でご確認ください。

刑事訴訟法39条1項
身柄の拘束を受けている被告人又は被疑者は、弁護人又は弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人となろうとする者(略)と立会人なくして接見し、又は書類若しくは物の授受をすることができる。

刑事訴訟法80条
勾留されている被告人は、第三十九条第一項に規定する者以外の者と、法令の範囲内で、接見し、又は書類若しくは物の授受をすることができる。

勾引状により刑事施設に留置されている被告人も、同様である。

私選弁護人は上記規定の「弁護人」として、当番弁護士は選任される前の弁護士、つまり「弁護人となろうとする者」として接見することになります。

また、特定の法律事務所に接見を依頼した場合の弁護士(以下、便宜上、特定弁護士といいます)も、契約前、選任前であることから、当番弁護士同様、「弁護士になろうとする者」として接見することになります。

なお、裁判所に選任される弁護士である国選弁護人は勾留決定後に選任されますかから、逮捕期間中は接見できません。

私選弁護人、当番弁護士、特定弁護士の相違点

次に、私選弁護人、当番弁護士、特定弁護士の相違点です。

弁護士費用

私選弁護人、特定弁護士による接見には弁護士費用がかかります。

他方、当番弁護士による接見には弁護士費用はかかりません。

接見回数

私選弁護人は無制限です(ただし、回数に応じて日当などがかかります)。

他方、当番弁護士、特定弁護士の場合、1回限りです。

接見後の活動

私選弁護人は接見後も釈放などに向けた具体的な活動を行ってくれます。

他方、当番弁護士、特定弁護士の弁護活動は1回限りの接見ですから、接見後、弁護活動を行ってくれるわけではありません。

接見する弁護士

私選弁護人、特定弁護士の場合、刑事事件の知識、経験豊富な弁護士を選択することができます。

他方、当番弁護士の場合、接見の依頼があった日に弁護士会に登録されている弁護士の中から待機中の弁護士が派遣されます。

したがって、その弁護士が刑事事件の知識、経験豊富な弁護士とは限りません。

私選弁護人(特定弁護士を含む)、当番弁護士のどちらを選択すべき?

当番弁護士

当番弁護士は、以下のような方などに向いていると考えます。

  • とにかく接見したい、接見して欲しい方
  • 弁護士に拘りがない方
  • 接見後の弁護活動を私選弁護人に任せるか国選弁護人に任せるか迷われている方

私選弁護人

私選弁護人は、上記に加え、以下のような方などに向いていると考えます。

  • 弁護士に拘りのある方(刑事事件に精通している弁護士を希望している方)
  • 逮捕された方がなぜ逮捕されたか、今後の事件の見通しを知りたい方(接見後の弁護士による報告を必要とする方)
  • 接見後も、接見してくれた弁護士を私選弁護人に選任し、速やかな弁護活動を希望される方

まとめ

希望する弁護活動の内容、獲得したい結果、逮捕された方、そのご家族などの置かれた立場・状況によって弁護士の活かし方は異なります。

弁護士の特徴を把握した上で、ベストな選択を心がけましょう。

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