脅迫罪と恐喝罪の起訴不起訴の特徴、恐喝罪の量刑はどのようなものなのか

人を脅すという点では脅迫罪も恐喝罪も共通しています。

その脅しが、財物の交付や財産上の利益に向けられれば、恐喝罪になるわけです。

では、脅迫罪と恐喝罪の起訴不起訴の特徴、恐喝罪の量刑はどのようなものなのでしょうか。

脅迫罪と恐喝罪の比較では、統計上(平成29年)、起訴率は脅迫罪の方が高く、逆に、不起訴率は恐喝罪の方が高くなっています。

しかも、脅迫罪の場合、略式請求が公判請求よりも高い割合を示しています。

これが、脅迫罪と恐喝罪の起訴不起訴の特徴といえます。

恐喝罪の量刑は、統計上(平成29年)、実刑率が4割弱執行猶予率が6割強であり、実刑では2年以上3年以下の割合が最も多い状況になっています。

以下においては、脅迫罪と恐喝罪の内容、脅迫罪と恐喝罪の起訴不起訴の処分状況、恐喝罪の科刑状況を概観した上、脅迫罪と恐喝罪の起訴不起訴の特徴、恐喝罪の量刑について、説明することとします。

脅迫罪と恐喝罪の内容

脅迫罪と恐喝罪の内容は以下の通りです。

脅迫罪の内容

犯罪の成立

脅迫罪は、人に対し、その者(1項)又はその親族(2項)の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害悪を加える旨を告知して脅迫することによって成立します(刑法222条)。

客体

客体は人です。

自然人に限られると解されています。

行為

行為は、人を脅迫することです。

ここにいう「脅迫」とは、人を畏怖させるに足りる害悪を告知することをいいます。

告知する害悪の程度は、通常人を畏怖させるに足りるものでなければならず、これに当たるかどうかは、告知の内容と四囲の客観的状況によって判断されるべきであるとされています(判例)。

告知の方法には、特に制限はありません。

刑罰

脅迫罪は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられます。

恐喝罪の内容

犯罪の成立

恐喝罪は、人を恐喝して財物を交付させ(1項)、財産上不法の利益を得又は他人にこれを得させる(2項)ことによって成立します(刑法249条)。

客体

客体は、他人の財物(1項)、財産上の利益(2項)です。

行為

行為は、前記「犯罪の成立」における(1項)、(2項)のとおりです。

恐喝とは、財物又は財産上の利益を供与させる手段として、相手を脅迫又は暴行することをいいます。

恐喝罪は、その手段たる脅迫・暴行が、相手の反抗を抑圧する程度には至っていない点において、強盗罪と区別されます。

人を畏怖させるような害悪の告知は、脅迫罪におけるそれと異なり、必ずしも人の生命、身体、自由、名誉又は財産に関するものに限らず、また、相手又はその親族以外の者、例えば、友人・縁故者等に関するものでもよいのです。

財物を交付させる」とは、畏怖心を生じた被害者の財産的処分行為によって財物の占有を取得することをいいます。

財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させる」とは、不法に財産上の利益を得又は得させることであって、財産上の利益そのものが不法である必要はありません。

その態様としては、債務の免除、支払の猶予等のように、被害者に一定の財産上の処分ないし意思表示をさせる場合などがあるとされています。

刑罰

恐喝罪は、10年以下の懲役に処せられます。

脅迫罪と恐喝罪の起訴不起訴の処分状況

   
2017年検察統計年報(平成29年の統計)によれば、検察庁が脅迫罪及び恐喝罪で送致を受けた者の起訴不起訴の処分状況は、下記の表のとおりです。

罪名
起訴
(起訴率)
(起訴で占める率) 不起訴
(不起訴率)
(不起訴で占める率)
公判請求 略式請求 起訴猶予 その他
脅迫 1,741 737
(42.3%)
289
(39.2%)
448
(60.8%)
1,004
(57.7%)
761
(75.8%)
243
(24.2%)
恐喝 1924 609
(31.7%)
609 1,315
(68.3%)
680
(51.7%)
635
(48.3%)

脅迫罪と恐喝罪の比較では、恐喝罪の法定刑が脅迫罪のそれよりもはるかに重いのに、統計上(平成29年)、起訴率は脅迫罪の方が恐喝罪よりも10.6%高く不起訴率は恐喝罪の方が脅迫罪よりも10.6%高くなっています。

しかも、起訴された場合、脅迫罪では略式請求が6割を超えているのです。

これが、脅迫罪と恐喝罪の起訴不起訴の特徴といえます。

恐喝罪の科刑状況

平成30年版犯罪白書(平成29年の統計)によれば、地方裁判所における恐喝罪の科刑状況は、下記の表のとおりです。

総数(409) 実刑(実刑率)
153(37.4%)(実刑で占める率)
執行猶予
(執行猶予率)
量刑 5年を超え
7年以下
3年を超え
5年以下
2年以上
3年以下
1年以上
2年未満
6月以上
1年未満
256
(62.6%)
人数 1
(0.7%)
18
(11.8%)
71
(46.4%)
56
(36.6%)
7
(4.6%)

恐喝罪で起訴された場合、特段の前科がなく、被害者と示談したり、被害弁償あるいは慰謝の措置を講じれば、執行猶予となる可能性が高いといえます。

しかし、いわゆるかつあげのような常習的で計画性のある犯行、暴力団員による犯行、企業相手の大胆な犯行、個人の秘密や不利益を種(俗に「ねた」)に脅す卑劣な犯行については、犯情が悪く、被害者の被害感情にも厳しいものがあり、そのことが判決結果にも反映されています。

恐喝罪の量刑は、統計上(平成29年)、実刑率が4割弱執行猶予率が6割強の数値を示していますが、実刑の場合、3年を超える刑よりも3年以下の刑の割合が高く、その中でも2年以上3年以下の刑が最も多い状況になっています。

まとめ

脅迫罪と恐喝罪の比較では、法定刑に大きな差がありながら、起訴率は軽い脅迫罪の方が高く、不起訴率は重い恐喝罪の方が高くなっています。

しかも、起訴された場合、脅迫罪では略式請求が6割を超えています。

これが、脅迫罪と恐喝罪の起訴不起訴の特徴といえます。

恐喝罪の量刑は、執行猶予率が6割を超えており、実刑の場合には2年以上3年以下の割合が最も多い状況になっています。

被疑者や被告人に有利な結果が得られるためには、被害者との示談が大きなウエートを占めていると考えられます。

脅迫罪や恐喝罪で逮捕された方は、早めに弁護士に相談するのが望ましいでしょう。

弁護士は、被害者との示談に尽力し、示談成立と被害者の宥恕が得られれば、不起訴処分、罰金(脅迫罪の場合)、さらに公判請求(脅迫罪、恐喝罪の場合)されたとしても、執行猶予付き判決が期待できますし、仮に実刑となったとしても、刑期の軽減の可能性が高くなります。

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