起訴と不起訴の違い

起訴とは刑事裁判にかけられること、不起訴とは刑事裁判にかけられないことです。

いずれも検察官が行う刑事処分の一種です。

以下で起訴、不起訴の内容を詳しく解説してまいります。

起訴とは

起訴とは、捜査後に検察官の有罪獲得に対する心証が固まった段階で、刑事裁判にかけられてしまうことです。

起訴は検察官が行う刑事処分の一つです。

検察官は、捜査(取調べなど)によって自ら獲得した証拠(被疑者、参考人の供述録取書など)、あるいは警察から送られてくる証拠を精査した上で「これなら刑事裁判で有罪を獲得できる」、「冤罪とはならない」と判断した場合に起訴することとしています。

起訴の種類

起訴には「正式起訴」と「略式起訴」の2種類があります。

①正式起訴

正式起訴とは正式裁判を求めるための起訴です。

正式裁判とは、皆さんがよくテレビやドラマなどで見るような公開の法廷で行われる刑事裁判のことです。裁判官、弁護人・被告人、検察官が法廷へ出廷します。

また、傍聴席では傍聴人が刑事裁判を傍聴している場合もあります。

正式裁判は基本的には検察官の主導で行われます。

これは罪が成立することの立証責任を負っているのは検察官ですし、刑事訴訟法上、刑事裁判を主体的に遂行していくのは当事者である検察官、弁護人(あるいは被告人)という建前が取られているからです。

正式起訴の流れ

正式起訴後の大まかな流れは以下のとおりです。

  1. 正式起訴
  2. 起訴状謄本受領
  3. 刑事裁判に向けて弁護人との打ち合わせ
  4. 裁判(1回、2回、3回、、、、)
  5. 判決
  6. 確定

①正式起訴されると②裁判所から起訴状謄本が送達されます(身柄事件の場合は警察の留置施設職員等から受け取り、在宅事件の場合はご自宅へ特別送達されます)。

また、在宅事件の場合は、起訴状謄本とともに「弁護人の選任に関する照会・回答書」も同時に送達されます。

裁判所から起訴状謄本を受け取った後は第1回裁判までに、④選任された(国選、私選の)弁護人と刑事裁判に向けた打ち合わせを行います。

直接、弁護人の法律事務所で打ち合わせを行うこともあれば、電話で済む場合もあるでしょう。

第1回裁判は起訴からおおよそ1か月から1か月半後に開かれることが多いです。そして、次回が⑤判決という場合はおおよそ2週間前後で判決期日となります。

もっとも、事件が難しくなればなるほど、事実を否認し裁判の争点が多くなればなるほど、裁判の回数は多くなり裁判は長期化しますし、③弁護人との打ち合わせする回数も多くなります。

⑤判決では有罪か無罪か、有罪の場合は実刑か執行猶予付きかの判断が下されます。

正式裁判では死刑、懲役、禁錮、罰金などの刑罰を言い渡され、実刑の場合は⑥裁判が確定したときから刑の執行手続きが始まり、執行猶予の場合は判決で言い渡された執行猶予期間が始まります。

②略式起訴

略式起訴とは略式裁判を求めるための起訴です。

略式裁判とは、正式裁判とは異なり、公開の法廷に出廷することを必要とせず、書面審理のみを行う刑事裁判です。

略式起訴の流れ

略式起訴前後の大まかな流れは以下のとおりです。

  1. 略式裁判を受けることへの同意(検察庁での取調べ時)
  2. 略式起訴
  3. 略式裁判
  4. 略式命令(100万円以下の罰金又は科料)
  5. 略式命令謄本受領
  6. 確定→罰金、科料納付へ

まず、検察庁での取調べ時に検察官から略式裁判についての説明を受け、略式裁判を受けることへの同意を求められます。

ここで①同意し書類にサインした場合は、その後、②略式起訴されます

(なお、同意するかどうかは自由ですから、無理に同意する必要はありません。ただし、同意しなかった場合は正式起訴されるでしょう)。

②略式起訴では起訴状という書類と、検察官が選別した証拠が一緒に簡易裁判所へ提出されます。

これらを受け取った裁判官は、当該事件が略式裁判に付することが相当か否かと判断し、相当だと判断した場合(相当と判断されることがほとんどです)は③略式裁判→④略式命令を出します。

裁判官が略式裁判で下せる略式命令は「100万円以下の罰金又は科料(千円以上一万円未満)」です。

裁判官が出した略式命令の内容は⑤略式命令謄本という書類を受領することで知ることになります。

身柄事件の場合は勾留期間満了日の数日前に略式起訴され、通常、その日に略式裁判→略式命令→(裁判所で)略式命令謄本を受領、という流れとなります。

在宅事件の場合は、いつ略式起訴されるか分かりませんが、多くの場合、略式裁判を受けることに同意した日から1か月半前後で、裁判所からご自宅へ略式命令謄本が送達されてくると考えてよいかと思います。

なお、略式命令謄本を受領した日の翌日から起算して14日以内は正式裁判を申立てることができます。

この期間内に申立てしなかった場合は略式裁判が⑥確定し、略式命令謄本に記載された罰金又は科料を正式に納付しなければならなくなります(もっとも、多くの場合、上記14日内にも罰金又は科料を送付することができる措置(仮納付)が取られます)。

不起訴(処分)とは

不起訴(処分)とは起訴とは真逆の刑事処分です。つまり、刑事裁判にはかけられない、ということです。

なお、以下のとおり、不起訴となることは、必ずしも「罪を犯していないこと」を意味するものではありません。また、執行猶予とも全く意味が異なります。

不起訴の場合、裁判にかけられない以上、「有罪」にもならず、前科もつきません。

他方で、執行猶予とは起訴された後に裁判官に「有罪」と認定されたことが前提となる処分です。

不起訴(理由)の種類

不起訴処分には不起訴処分とするための理由が付されます。

不起訴の理由には様々なものがありますが、実務上よく見かける理由として以下の2つをご紹介いたします。

①起訴猶予

起訴猶予とは、証拠上、犯罪が成立することは明白であるものの、検察官が被疑者の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況を考慮し、敢えて起訴するまでもない、と判断した場合に付される理由です。

被害者に被害弁償した、被害者と示談が成立したなどという場合は「犯罪後の情況」に当たり、起訴猶予の理由が付されることが多いです。

②嫌疑不十分

嫌疑不十分とは、犯罪の成立を認定すべき証拠が不十分な場合に付される理由です。

検察官は自身が「証拠によって刑事裁判で有罪を獲得できる!」と確信できた場合にしか事件を起訴しません。

したがって、そうした確信を得られない場合は不起訴処分とするのです。

なお、この段階では、検察官が有罪を獲得できない、と判断しただけであって、刑事裁判で無罪であることが確定したわけではありません。

まとめ

起訴されるとその種類によって正式裁判、あるいは略式裁判を受ける必要があります。

また、裁判で有罪となれば何らかの刑罰を受け、前科が付く可能性もあります。

他方で、不起訴の場合はそうした心配は必要ありません。

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