住居侵入罪とはどのような犯罪で、逮捕勾留され、さらに起訴されたりするのか

住居侵入罪を犯した場合、逮捕勾留されるのか、起訴されるのか、心配になると思われます。

では、住居侵入罪とはどのような犯罪で、逮捕勾留され、さらに起訴されたりするのでしょうか。

住居侵入罪は、その罪自体では、人の身体に対する直接的な危害を及ぼしていないとはいえ、人の住居の平穏を害するだけでなく、他の犯罪の手段として行われることが多いため、統計上(平成29年)、逮捕率は5割を超えており、逮捕されればほぼ8割近く勾留されています。

そして、公判請求と略式請求を含む起訴率は、4割を超えています。

このように、住居侵入罪に対しては厳しい対応になっています。

以下においては、住居侵入罪の内容、住居侵入罪を犯した場合の身柄状況、住居侵入罪を犯した場合の起訴不起訴の処分状況について概観した上、住居侵入罪とはどのような犯罪で、逮捕勾留され、さらに起訴されたりするのかについて説明することとします。

住居侵入罪の内容

犯罪の成立

住居侵入罪は、正当な理由がないのに人の住居等に侵入することによって成立します(刑法130前段)。

客体

客体は、人の住居又は人の看守する邸宅・建造物・艦船です。

「住居」とは、日常の生活に使用される場所をいいます。

通常は、起臥寝食のために用いられるものを指しますが、一定時間継続して使用されるのであれば、旅館やホテルの一室、事務所や店舗なども住居といえます。

住居性が肯定される場所であれば、家人等が一時不在中でも、住居性が否定されることはありません。

また、建物の全部でなく、区画された一部分、例えば、マンションの各居室も独立に住居となり得ます。

そして建物に付属する囲繞地も住居に含まれると解されます。

「人」の住居とは、他人の住居をいいます。

他の者と共同生活を営んでいる場合には人の住居ではありませんが、共同生活を解消した場合には人の住居となりますから、家出した息子が強盗の目的で実父宅に侵入した場合は住居侵入罪が成立します(判例)。

「邸宅」とは、一般に、空き家、閉鎖中の別荘など、居住用の建造物で住居以外のものをいいます。

「建造物」とは、住居、邸宅以外の建物、例えば、官公署の庁舎、学校、工場、倉庫、神社等をいいます。

なお、邸宅又は建造物に付属する囲繞地は、それぞれ邸宅又は建造物に含まれると解されます。

「艦船」とは、軍艦及び船舶をいいます。

「人の看守する」とは、他人が事実上管理・支配していることをいいます。

看守の態様としては、監視者を置くとか鍵をかけるなど人的・物的設備を設けるのが普通と考えられます。

行為

行為は、正当な理由がないのに、他人の住居等に侵入することです。

「侵入」とは、住居権者等の意思に反して立ち入ることです。

立ち入るというのは、住居内に入ることだけではありませんから、住居の屋根に上がる行為も侵入に当たります。

また、判例は、建物とその敷地を明確に画し外部からの干渉を排除する作用を果たしている塀も建造物に含まれるとして、その塀の上部に上がった行為も侵入に当たるとしています。

侵入は、正当な理由がなく行われることを要します。

居住者や看守者ら住居権者等の真意に出た承諾がある場合、又は承諾が見込まれる場合は、住居侵入罪を構成しません。

一般に、営業中の飲食店・店舗、ホテルのロビーなど客の来集が予想されている場所とか、一般公衆に開放されている官公署の庁内・構内等においては、通常予想される目的の立入りである限り、居住者等の包括的承諾があると考えられています。

しかし、これらの場所についても、違法な目的で、あるいは社会通念上是認されないような態様で立ち入るときは、住居侵入罪(罪名としては建造物侵入罪)を構成します。

判例では、①店内の客と闘争する目的で、日本刀を携えて勝手口から料理店に立ち入ること、➁正当な用務もないのに、警察官の制止を排して官公署の庁舎内に立ち入ること、➂ATM機を利用する客のカードの暗証番号等を盗撮する目的で、銀行支店出張所に立ち入ることなどは、建造物侵入罪を構成するとされています。

住居侵入罪に該当する行為には、人の住居の平穏を害するだけでなく、他の犯罪の手段として行われることが多いのです。

刑罰

住居侵入罪は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処せられます。

住居侵入罪を犯した場合の身柄状況

平成30年版犯罪白書(以下「犯罪白書」といいます)によれば、平成29年の住居侵入罪の身柄状況は下記のとおりです。

(逮捕関係)

総数
(A)
逮捕されない(B) 逮捕後釈放(C) 身柄付送致(B+C)÷A 検察庁で逮捕 身柄率
7,718 3,546(45.9%) 433(5.6%) 3,737(48.4%) 2(0.03%) (48.4%)

(勾留関係)

認容(D) 却下(E) 勾留請求率(D+E)÷(B+C)
3,198 192 90.7%

上記の数字からすれば、逮捕されない者が45.9%とはいえ、逮捕率は54.1%(4,172人)となっています。

そして、逮捕されれば76.7%勾留されているのです。

住居侵入罪を犯した場合の起訴不起訴の処分状況

2017年検察統計年報(平成29年の統計)によれば、検察庁が住居侵入罪で送致を受けた者の起訴不起訴の処分状況は、下記の表のとおりです。

総数 起訴
(起訴率)
(起訴で占める率) 不起訴
(不起訴率)
(不起訴で占める率)
公判請求 略式請求 起訴猶予 その他
5,609 2,293
(40.9%)
1,368(59.7%) 925(40.3%) 3,316(59.1%) 2,500(75.4%) 816(24.6%)

上記の数字からすれば、起訴率は4割を超えていることが分かります。

そして、住居侵入罪が、他の犯罪の手段として行われることが多いため、公判請求の方が略式請求よりも起訴率が高いのです。

まとめ

住居侵入罪を犯した場合、逮捕勾留されるのか、起訴されてしまうのかと心配になることでしょう。

住居侵入罪は、人の住居の平穏を害するだけでなく、他の犯罪の手段として行われることが多いため、統計上、身体拘束が必ずしも原則ではないとはいえ、逮捕率は5割を超え、逮捕されれば8割近く勾留されているのも事実なのです。

そして、法定刑との比較でいえば、起訴率もそれなりに高くなっています。

逮捕、そして勾留を免れるため、延いては、被疑者に有利な処分が得られるためには、早期に、法律のプロである弁護士に委ねるのが望ましいことになります。

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