懲役刑、禁錮刑とは?共通点は相違点などについて詳しく解説

懲役は聞いたことあるけど、禁錮は聞いたことがないという方も多いのではないでしょうか?

今回は、この懲役や禁錮の共通点、相違点などについて詳しく解説します。

懲役、禁錮とは?

懲役、禁錮はともに刑罰の一種で、ともに受刑者の自由を奪う自由刑と言われています。

つまり、懲役、禁錮の刑罰を受けると、身体を拘束され(すでに身体を拘束されている場合は釈放されず)、刑務所に収容されてしまいます

そして、以下で解説するように、刑務所内では、自分のやりたいときにやりたいことができない不自由な生活を送ることを強いられてしまいます。

また、懲役、禁錮と同じく、皆さんにも馴染みの深い刑罰として罰金があります。

しかし、罰金は自由刑ではなく財産刑と言われています。

つまり、罰金刑を受けた方の身体を拘束する刑ではなく、あくまで財産を強制的に徴収する刑に過ぎません。

したがって、新たに身体を拘束されることはなく、すでに身体を拘束されている場合には、罰金刑を受けると同時に釈放されることになっています。

懲役、禁錮ともに刑期に期限のない無期刑を設けることができるとされており、有期刑の場合は「1月以上20年以下」とされています。

なお、刑を加重する場合は30年まで引き上げることができ、軽減する場合は1月未満に下げることもできます。

懲役と禁錮の違いはある?

続いて、懲役と禁錮で違いはあるのか、あるとした場合、どの点に違いがあるのかみていきましょう。

刑の重さ

刑法9条、10条によると、刑は重たい順から「死刑→懲役→禁錮→罰金→拘留及び科料」のとするとしています。したがって、禁錮より懲役の方が重たいことになります。

もっとも、『無期の禁錮』と『有期の懲役』では、無期禁錮のほうが重いとされています。また、『有期の禁錮』と『有期の懲役』であっても、有期の禁錮の長期が有期の懲役の2倍を超える時は、有期の禁錮の方が有期の懲役より重たい刑となるとされています。

刑務作業の有無

懲役では、刑務所内での刑務作業が義務です。

他方で、禁錮では、刑務所内での刑務作業が義務ではありません

もっとも、禁錮受刑者が希望し許可された場合は、刑務作業を行うことが可能です。

執行猶予との関係

執行猶予とは、一定期間、刑務所で服役すること(刑の執行)を猶予し、その一定期間内に何事もなく過ぎた暁には、刑務所で服役しなくて済む(国家の刑罰権が消滅する)法制度のことです。

初回の執行猶予を受けるためには、判決で「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金」を受けること、執行猶予期間中に犯罪を犯した者が執行猶予を受けるためには、判決で「1年以下の懲役又は禁錮」を受けること、が要件の一つとされており、この点において、懲役の場合も、禁錮の場合も違いはありません

仮釈放との関係

仮釈放とは、有期、無期を問わず、懲役、禁錮の刑の執行によって刑務所などに収容された人を、一定の条件の下に、その刑執行の満了日前に釈放する措置のことをいいます。

仮釈放は、懲役又は禁錮に処せられたこと、改悛の状が認められること、有期刑についてはその刑期の3分の1を、無期刑については10年を経過したこと、が要件とされており、この点も懲役、禁錮で違いはありません

累犯との関係

累犯とは、刑の刑期(執行)を終えてから5年以内に罪を犯した場合の、服役した刑の基となった犯罪のことです。

たとえば、Xさんが窃盗罪で懲役1年の実刑判決を受けて服役し、令和2年2月1日に刑の刑期を終えたとします。

そして、同年8月1日に今度は、暴行罪で検挙された場合の窃盗罪が「累犯」ということになります。

そして、仮に、この後、Xさんが暴行罪(2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料)で起訴され、判決で懲役を受けるとします。

すると暴行罪は「再犯」という位置づけとなり、暴行罪の法定刑は「4年以下の懲役(2年以下の懲役の2倍)」まで引き上げられてしまい、その範囲で懲役を科すことが可能となってしまいます(再犯加重)。

もっとも、これまでの解説でお分かりのとおり、再犯加重されるのは、前刑の刑と今回の刑が共に懲役の場合で、この点が禁錮と異なる点といえます

懲役、禁錮が設けられている罪

では、実際にどんな罪に懲役、禁錮が設けられているのか、その重さはどの程度なのかみていきましょう。

懲役のみ設けられている罪

懲役のみ設けられている罪は

  • 現住建造物等放火罪(死刑又は無期若しくは5年以上の懲役)
  • 非現住建造物等放火罪(2年以上の有期懲役)
  • 建造物等以外放火罪(1年以上10年以下の懲役)
  • 強制わいせつ罪(6月以上10年以下の懲役)
  • 強制わいせつ致死傷罪(無期又は3年以上の懲役)
  • 強制性交等罪(5年以上の有期懲役)
  • 強制性交等致死傷罪(無期又は6年以上の懲役)
  • 殺人罪(死刑又は無期若しくは5年以上の懲役)
  • 強盗罪(5年以上の有期懲役)
  • 強盗致傷罪(無期又は6年以上の懲役)
  • 強盗殺人罪、強盗致死罪(死刑又は無期懲役)
  • 詐欺罪(10年以下の懲役)
  • 恐喝罪(10年以下の懲役)
  • 業務上横領罪(10年以下の懲役) など

上記のように、懲役のみ設けられている罪は、いわゆる重大犯罪と呼ばれる罪に属する罪で、かつ、刑も比較的重たいことがお分かりいただけるかと思います。

他方で、懲役と罰金が設けられている罪は、住居侵入罪、暴行罪、窃盗罪、器物損壊罪などをはじめ、比較的刑が軽い罪が多いです。

禁錮のみ設けられている罪

禁錮のみ設けられている罪は

  • 内乱罪(首謀者につき「死刑又は無期禁錮」など)
  • 内乱予備・陰謀罪(1年以上10年以下の禁錮)
  • 内乱等幇助罪(7年以下の禁錮)
  • 私戦予備・陰謀罪(3月以上5年以下の禁錮)

などごく一部の罪の罪に限られます。

懲役、禁錮の双方が設けられている罪

また、懲役、禁錮の双方が設けられている罪も

  • 公務執行妨害罪(3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金)
  • 公務員職権濫用罪(2年以下の懲役又は禁錮)
  • 名誉毀損罪(3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金)

などとごく一部の罪に限られます。

懲役、禁錮受刑中の生活

刑務所は受刑者の矯正を図る施設で、集団で生活しなければなりませんから、規則正しい生活を強いられ、自由やプライベートはほとんどありません

また、矯正生活と同時に、釈放後、円滑に社会復帰するための改善指導も受けます。

改善指導には、被害者の感情を理解させ、罪の意識を養わせて、心身の増進を図り、社会に適応する能力を身に付けることを目的とする一般改善指導と、薬物、性犯罪、交通の再犯防止、暴力団組織などからの離脱など特定の目的のための特別改善指導があります。

まとめ

懲役も禁錮も刑罰の一種ですが、基本的には禁錮よりも懲役の方が、刑が重たい位置づけとなっています。

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